私だけが見た幻の北極キツネ

パフィン

白い部分は全部、鳥

断崖絶壁のバードウォティング

小鉄とガイドのエディ君

セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島
セントポール島

その時「アッ・キツネ」
と小鉄の叫ぶ声

「今そこからチラッと覗いたヨ」
咄嗟にカメラを片手に崖の上へ
と駆け上がると、
待っていたかのように

「クヮーンクヮーン」と
私を見つめて鳴いた

慌ててピントを合わせたが多分ブレて
いるかも知れない

時折崖下から吹き上げてくる強風に
三脚をしっかり固定させ

シャター音を繰り返す

小鉄は崖淵で双眼鏡を目から放せない

「オーイもっと崖から離れろ」

心配をよそにその声は強風に打ち消される

岸壁の上から覗くと海のピエロたちは
すました顔で岩棚にいた

待望のご対面は望遠レンズが活躍

「カシャカシャ」と小気味の良い音に
ファインダーの中で思わず
笑みがこぼれてくる

薄曇で光量不足であるのが少し心配だが
カメラを縦に横に構図を考え
ベストショットの一枚に身を乗り出す

断崖にしがみついている
鳥たちの営巣は岩肌を白くするほどの数

パフィンを求めて次の断崖へ

何しろこの島では一本の木も育たない

鳥たちは岩棚のスキ間で子育てをしている
風の無いときは岩棚へ出てくるので

その時がチャンスある

写真写りがバツグンのパフィンは

目からツノが生えているように見え

オシャレなオレンジ色の脚を持つ
まるで海のピエロのよう

強風が吹き荒れているので
左手は草をしっかりと掴みながらの撮影

目の前を飛んでいくパフィンに
シャッターが追いつかない

余り長く立っていられないので
その場にしゃがみ込んでしまった

荒海の音と強風に身も心も指も縮み上がる

もうこれ以上は無理と判断し
帰ろうとガイドを促すが
小鉄は涼しい顔で双眼鏡を覗いている

島の人気者、パフィン
(ツノメドリ・ウミスズメの仲間)
を求め断崖絶壁を行く

カメラと三脚はガイドの
エディ君が助けてくれた

一メートル横は崖下

足を踏み外せば荒海へ真っ逆さまに
転落の危険をはらむ

日本では立入禁止の看板が立つ位
スリル満点の断崖の先端

私だけが見た幻の北極キツネ

キツネ目ではなく丸いつぶらな

瞳がジッと見つめていた何度と無く
同じ場所を訪れたがそれっきり姿は現さなかった

町の中でも堤防でも何匹となく
キツネを見たが何故か愛着が湧いてこない

やっぱり「あのキツネ」にもう一度会いたい

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島の人気者・パフィンと北極キツネ

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